<昆虫発酵調味料「イナゴソース」開発project>


醤油の伝統技術を再デザインした昆虫発酵調味料を開発して、日本の発酵技術の凄さを「表現」して伝えたい!

和歌山に残る「醤油の伝統技術」 x 未利用資源の「昆虫(イナゴ)」= 世界初の「おいしい昆虫発酵調味料イナゴソース」





昆虫発酵調味料イナゴソースの販売についてはコチラのページをご覧ください。


現在企画の一つとして、『昆虫発酵調味料「イナゴソース」の醸造』に取り組んでおります。

 これは、醤油発祥の地の一つである和歌山県湯浅町の「昔ながらの醤油の技術がまだ残っているコト」を地域資源と捉えて、そこに「いなか」のイメージを形成する要素であり、未利用資源でもある「昆虫」(今回はイナゴ)を組み合わせて、湯浅町の100年以上の伝統ある醤油醸造元「湯浅醤油」様に技術協力頂いて、本格的な、全く新しい発酵調味料に挑戦いたしました。

 麹を使って伝統的な製法で6か月間かけてじっくり醸造し、2014年3月に搾りを行って、和歌山・大阪・東京で約100人に対して試飲会や試食会を行ったところ、多くの方から好評を得ることができました。また、和の鉄人 道場六三郎さまにも試飲をして頂き、「美味しい」とのお言葉を頂いております。


昨年からの半年間のその試作品作りによって、「イナゴソース」は十分美味しく、そして既存の商品には無い味だということが確認できたので、今後は、本格的に市場に出して皆さんに味わっていただけるような「商品」を目指します。

 

そのためには、

・熟成期間を6か月から10か月程度に変更し、より美味しさを引き出す

・試作品はごく少量でしたが、普及を目指し、ある程度の量を仕込む

・ただのゲテモノ商品扱いで終わらないように、既存商品と比べた味の分析、成分分析や機能性分析を行い、様々な違いも今後調査する

・その調査結果に基づいて、日本中や世界へ「イナゴソース」を紹介するとともに、日本の醤油の文化や発酵技術を世界に発信

・安定供給のために和歌山県を含めた国内での安心・安全な集約的イナゴ生育場所の調査(イナゴは無農薬の場所にしか生育しないので、非常に数が減少しています。北里大学さまと連携)

・仕込み時に、イナゴを中心に量を確保しつつ、他の昆虫(例えばトノサマバッタ等)も少量仕込みを行って、熟成後の味や成分分析を行い、イナゴ以外での他の昆虫での味の追求も行う(独立行政法人 農業生物資源研究所さまと連携)

を行いたいと思っております

 

 

ただ、このまま作ってもゲテモノ扱いされてしまう恐れがあるので、既存商品と比べた味の分析、成分分析や機能性分析を行い、昆虫ならではの差別化を図りたいと思うのですが分析に多大な費用がかかるため単独では難しいので、協力していただける研究者の方がおられましたらぜひご連絡下さい。

 

このプロジェクトをきっかけにして、地域活性化支援団体「いなか伝承社」としては、和歌山県湯浅町には、名前だけが残っている伝統文化ではなく、昔ながらの醤油醸造技術が現代も活きているとともに、非常にチャレンジャーな醤油醸造元が田舎にあり、面白い活動ができる地域だということを紹介してきたい。

 それだけに留まらず、 「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され世界中に広まっていく中で、改めて日本中、そして世界に対して日本の“小さないなか町”から、様々な専門家と協力して日本の醸造技術の素晴らしさを伝えたいと思っています。

 

さらに地域と共に実践してゆきたい事として、

 ・イナゴは無農薬地でないと生育できないので、耕作放棄地にいるイナゴ採取による耕作放棄地活用や、無農薬栽培・有機栽培農家によって手間ひまかけて作られている田んぼのイナゴを買い取って農業支援する仕組みも作っていきたい。

・イナゴ採集と絡めて、「父親と子供」が主役になって昆虫と触れあいつつ、環境の変化に敏感なイナゴがいる土地の豊かな地域や自然について子供たちに知ってもらえるようなイベントを開催したいとも思っています。



アフリカには、次のようなことわざがあるそうです。

「一人の老人が死ぬことは、一つの図書館がなくなること」

 

これまで長い年月をかけて蓄積されてきた、いろいろな大切なものが日本から完全に失われる前に、次の世代に伝えて行きたいと思っています。